ふろしき Blog

インターネットビジネスの基本知識やWebテクノロジー、エンジニア組織論について、経験談を交えつつお話します

IE9の互換表示リスト(互換表示一覧)の使い方/動作仕様

IE9には、正常な動作が行えない古いWebコンテンツを利用できるようにするために、「互換表示リスト(互換表示一覧)」という機能が提供されています。

本記事では、「互換表示リスト(互換表示一覧)」の動作仕様について説明します。

  1. 設定方法1 - 互換表示ボタンからの追加
  2. 設定方法2 - 互換表示設定から追加
  3. リストに追加すると何が起こるのか?
  4. 互換表示リストの設定内容を無効化させる方法

1. 設定方法1 - 互換表示ボタンからの追加

アドレスバーの右にある、割れたアイコンのボタンをクリックして下さい。

f:id:furoshiki0223:20131124035233p:plain

>> (詳細はこちら)IE9の互換表示ボタンの使い方/動作仕様

※互換表示ボタンがアドレスバーの横に表示されない場合、次の手順が必要です。

2. 設定方法2 - 互換表示設定から追加

Altキーを押下すると、コマンドバーが表示されます。その後、以下の手順に沿って入力して下さい。
f:id:furoshiki0223:20131124063653p:plain
ウィンドウ「互換表示設定」が表示されるので、以下を設定します。
f:id:furoshiki0223:20131124063706p:plain

3. リストに追加すると何が起こるのか?

動作モードに応じて、以下のような振る舞いをします。

  • Standardモードの場合 : IE7 Standardモード(IE7の機能のエミュレート)として動作します。
  • Quirksモードの場合 : Quirksモード(IE5の機能のエミュレート)のままです。変化しません。

StandardモードとQuirksモードについては、以下のドキュメントを参照して下さい。
>> IE9のDOCTYPEスイッチによるStandard/Quirksモードの切り替え

4. リストへ追加されても、互換表示させない方法

★ ドメイン単位での無効化(開発者向け)

X-UA-Compatibleへ以下の値を設定すると、互換表示リストへの追加は無視されます。

  • IE=EmulateIE9 : DOCTYPE宣言に応じて、IE9モードかQuirksモード(IE5)を選択する。(※実質的無効化)
  • IE=EmulateIE8 : DOCTYPE宣言に応じて、IE8モードかQuirksモード(IE5)を選択する。
  • IE=EmulateIE7 : DOCTYPE宣言に応じて、IE7モードかQuirksモード(IE5)を選択する。
  • IE=9 : 最新のレンダリングエンジンで動作
  • IE=8 : IE8の機能をエミュレートするレンダリングエンジンで動作
  • IE=5 : IE5の機能をエミュレートするレンダリングエンジン(Quirksモード)で動作

X-UA-Compatibleの設定は、HTMLドキュメント上で設定するか、HTTP レスポンスヘッダで設定するかのどちらかを選択できます。設定には、以下のページを参考にして下さい。

IE9のX-UA-Compatibleの使い方/動作仕様

★ 全てのリストを無効化(IT管理者向け)

Windowsレジストリを利用して、無効化する方法もあります。

>> 互換表示機能をWindowsレジストリを利用して無効化する方法

このブログの筆者について

川田 寛

株式会社メディアドゥのVP of Engineering。ネットでは「ふろしき」と呼ばれている。

2009年、新卒としてNTTグループにて仮想化技術・Web標準の研究と技術コンサルティングに従事。2015年よりピクシブ株式会社にて、Webエンジニア・エンジニアリングマネージャー・事業責任者・執行役員などを通じて、技術組織のデザインと技術系の新規事業に関わる。2021年12月より、現職へとジョイン。

ネット事業と技術組織は表裏一体!良いネット事業は良い技術組織から!日本のコンテンツを一つでも多く世界へ届けるべく、技術組織デザインと新規事業の二足の草鞋を履いて邁進中。

このブログでは、主に「インターネット事業のビジネス基本知識」「Webテクノロジーのトレンド」「エンジニア組織の設計手法」について、経験談を交えつつ解説していきます。私と話をしてみたいという方は、以下のフォームより気軽にご連絡ください。

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