ふろしき Blog

コンテンツサービスを科学する株式会社ブートストラップ代表のブログ

HTML5/Web技術関連トピックス(2013年6月16日まで)

どうも、会社終わってから毎日ファミレスに行って作業している川田です。最近は店に入ると、「どうぞ」しか言われません。アテンドすらされないし、注文まで聞かれなくなりました。Bar的に言えば、「マスターいつものやつ」って感じです。そろそろファミレスに住んでもいいんじゃないだろうか。

さてさて、そんなことよりも、今週は面白いトピックスが色々出てきます。

Oracle、HTML5にフォーカスを当てた"Java EE 7"のプラットフォームを遂に公開

(※国内に記事が無いので、ここを私で意訳してみました。)

Oracleは水曜日、HTML5アプリケーション・開発製品・他エンタープライズへの要求に答え、Java EE 7に対応したJavaプラットフォームを、完全版実装として公開した。開発者は、OracleのWebサイトからJavaEE7対応のSDKをダウンロードできる。

Javaのエンタープライズグレード版は、主として、サーバへのデプロイ、例えば、HTML5アプリケーション開発で利用されるような、JSON(JavaScript Object Notation)による通信のサポート、WebSocketによる通信が含まれる。 Oracleの開発チームの代表であるCameron Purdy氏は、「HTML5やモバイル向けの開発にとって、最も適したプラットフォームだ」と、Webcastを通じ、OracleのJava EE 7を紹介した際に述べた。

IDCのアナリストである Al Hilwa氏は、「Java EE 7 は、近年のHTML5を活用したエンタープライズ向けフレームワークとして広く普及し、また高いコード品質が求められる開発の生産性向上に大きく貢献するだろう。多言語プログラマであることが求められる今の時代、Java EE 7は、Javaをいずれ地球で最も巨大なサーバアプリケーション向け言語へと成長させることになるだろう。」と述べた。

また、Java EEの標準化をリードするLinda DeMichiel氏は、次のように述べる。

JavaServer Faces 2.2機能に対するJava EE 7追加は、HTML5のマークアップに対する親和性を向上させてくれることになる。長時間タスクを実行することを目的とするよううなバッチのプログラミング機能についても、エンタープライズ規模のアプリケーションに利用することを意図しており、並行処理のユーティリティは高いスループットを提供する。

また、開発者の生産性向上という点においては、EE 7はJava Message Service 2.0のように、簡単に利用出来るAPIを提供してくれる。また、JMS APIを簡略化させることで、多くの定型化していたコードを減らすことに貢献する。Java EE 7をサポートしたツールは、NetBeans IDEとEclipseにて提供される。

ただし、クラウド関連の分野、リソースを定義するためのメタデータなどは、EE 7でもある程度は提供されているが、多くの機能はEE 8まで延期されている。

ソース:Oracle releases HTML5-focused Java EE 7
http://www.infoworld.com/t/java-programming/oracle-releases-html5-focused-java-ee-7-220626

おお、エンタープライズ系エンジニアにとっては大ニュースですね!

サムライズムの山本さんも少し前に別件で記事にして下さってますね。
こっちはJava Day Tokyo2013とやや古いネタですが、ほんと、助かります。
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1306/11/news028.html


iOS7の影響で、"フラットデザイン"という考え方が広まっています

新しいアイデアではないのですが、装飾とか影とかそいういう余計なものは一切つけない、全ての要素がシンプルな文字とかだけで構成されたUIデザイン手法として、"フラットデザイン"というものが出てきています。画像とかは殆どなく、代わりに色が重要なファクターになっています。

ただ、この手法は"色彩"が重要だったりするので、エンタープライズにはどうだろう?という感じです。色で何かをわからせるというのは、エンプラではナンセンスですからね。良いところは吸収すればいいのですが、闇雲にこれでいこうだなんて言っちゃだめだと私は思ってます。

エンプラ業界人は微妙にバズワードが好きなので、踊らされないよう注意しなきゃですね。

ソース:jQuery Roundup: Go Flat!
http://dailyjs.com/2013/06/11/jquery-roundup/


6月のMicrosoftのセキュリティ情報が公開

6月12日公開の分です。
MicrosoftはIEのセキュリティアップデートを「緊急!」みたいな感じで3ヶ月に一回リリースしている感じがしますが、今回はどうでしょう。

Internet Explorer 用の累積的なセキュリティ更新プログラム (2838727)

深刻度:緊急 (リモートでコードが実行される)

この累積的なセキュリティ更新プログラムは非公開で報告された 19 件の Internet Explorer に存在する脆弱性を解決します。最も深刻な脆弱性が悪用された場合、ユーザーが特別に細工された Web ページを Internet Explorer を使用して表示すると、リモートでコードが実行される可能性があります。攻撃者により、最も深刻な脆弱性が悪用された場合、攻撃者が現在のユーザーと同じユーザー権限を取得する可能性があります。コンピューターでのユーザー権限が低い設定のアカウントを持つユーザーは、管理者特権で実行しているユーザーよりもこの脆弱性による影響が少ないと考えられます。

いつも通り、だいたい同じ感じですね。
対処しましょう!


もうそろそろChrome28が出そうな感じですね

Chrome Beta for Androidの更新が出てます。

ソース:Chrome Beta for Android Update
http://googlechromereleases.blogspot.jp/2013/06/chrome-beta-for-android-update_12.html


Appleは相変わらず、HTML5にエコシステムを構築できないみたいです

困りました、、safariのHTML5対応がどんどん遅れていきますよ・・。

ソース:WWDC 2013:Appleが醸し出すエコシステムの温かい雰囲気
http://ascii.jp/elem/000/000/799/799420/


村井純氏とティム・バーナーズ=リー氏、HTML5やオープンデータについて対談

日本語の記事が出て来ましたね。
先日のInterop Tokyoの村井純氏とティム・バーナーズ=リー氏の対談。国内のHTML5ネタだと、先週はこれがやはり一番ホットではないかと。記事はサマリレベルになってますね。

ソース:村井純氏とティム・バーナーズ=リー氏、HTML5やオープンデータについて対談
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/20130613_603602.html

全翻訳されている記事が今のところ国内には出てきていないようで。
私が以前書いたブログ記事に意訳したものがあります。
国内の記事ではこれが一番細かいはず。
http://furoshiki.hatenadiary.jp/entry/2013/06/12/223609


JavaScriptがプログラミング言語ランキングのTop10に…

最近巷で騒がれているJavaScriptは、しばらく"Tiobe index"のプログラミング言語ランキングから外れていた。しかしWebプログラミング言語の方で順位が戻り、のちに本編側でもトップ10位に戻ってきた。

ソース:JavaScript claws back into top 10 programming languages
http://www.infoworld.com/t/javascript/javascript-claws-back-top-10-programming-languages-220459

エンタープライズ屋としては、TypeScriptみたいなJavaScriptへコンパイルするタイプの言語の方が騒がれて欲しいですね。個人レベルだとスクリプト言語はガンガン使えますけど、大規模開発になり、マネジメントによるあるハンドルが必要になると、そこそこにスキルが必要ですよね。

このブログの筆者について

川田 寛

コンテンツサービスの開発や運営代行を専門とする集団「株式会社ブートストラップ」の社長です。ネットではふろしきと呼ばれています。

2009年にNTTグループへ新卒入社し、ITエンジニアとしてクラウド技術・Web技術の研究開発と技術コンサルティングに従事。2015年よりピクシブに入社し、エンジニアリングマネージャー・事業責任者・執行役員CCOなど、様々な立場からコンテンツサービスの事業づくりに関わりました。2021年にメディアドゥへVPoEとしてジョインし出版関係の事業に関わったのち、2023年に独立しています。

関わってきたインターネット事業としては、ECサービスのBOOTH、UGCプラットフォームのpixiv(主に海外展開)、制作ツールのpixiv Sketch、VR・VTuber関連ではVRoid、Wikiサービスのピクシブ百科事典など、10を超える多様なCtoCコンテンツサービス。また、NTTドコモのすご得コンテンツ、メディアドゥのWeb3サービスであるFanTopなど、いくつかのBtoCコンテンツサービスにも関わってきました。

幸運なことに、私はコンテンツに関係する幅広いインターネットサービスのテクノロジー&ビジネスの知識を得ることができました。これを日本のコンテンツ発展に役立てたいと思い、株式会社ブートストラップを創業しました。

このブログでは現在、出版社やIPホルダー、ライセンサーといったコンテンツに関わる人々に向けて、インターネット事業に関するTipsや業界内のトレンドなどの情報を発信しています。私と話をしてみたいという方は、以下のフォームより気軽にご連絡ください。

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