ふろしき Blog

コンテンツサービスを科学する株式会社ブートストラップ代表のブログ

第39回 HTML5とか勉強会+日本Androidの会 2013年5月定例会(1/2)

メモが最後にいくにつれて残っておりません・・・。2時間ぶっ続けだったので集中力が・・・。最後にいくにつれて怪しい感じです。誤字脱字ご勘弁!!どうか不快がらず生暖かい目で、欲を言えば偶然付けたテレビで放送していたバライティー番組ぐらいの感覚で御覧ください。


2013年5月28日、東海大学高輪キャンバスにて、「第39回HTML5とか勉強会+日本Androidの会 2013年5月定例会」が開催されました。550名の予約が数日で埋まるほどの人気イベントで、世の中がHTML5やモバイルといったキーワードに大いに期待していることが伺えます。

最近のHTML5はどうなっているのか

「何故、HTML5か?」という問いに対し、白石さんは以下の3つを理由に挙げました。

  • マルチプラットフォーム
  • マルチデバイス
  • 技術的な成熟

今回、初の日本Androidの会との合同イベントということもあり、普段よりも内容のレベルは落とし、最近のHTML5について「7つのウェブ」というキーワードから、Webの姿について説明しました。

オフラインウェブ

オフラインウェブの動作は、オフライン時は内容をキャッシュし、オンライン時にサーバへアクセスし記録を行うという仕組み。昔のGoogleSlidesがこのような動きをしていましたが、今は何故かこの動きにはなっていないようです。アプリケーションキャッシュ、Web Storage、Indexed Database API、FIle APIが実装技術になります。

リアルタイムウェブ

GoogleSpreadSheetがこの言葉をよく表しており、一つのシートを複数人で同時に共有し、他の人が行った変更がリアルタイムに反映されるといった動作が例として挙げられます。Web Socket、Server-Sent Events、WebRTC(Web Realtime Communication)が実装技術になります。

レスポンシブウェブ

昨年流行った言葉で、一枚のHTMLから、複数のスクリーンサイズに最適なデザインを実現することが可能になります。メディアクエリ、レスポンシブ・イメージ、グリッドレイアウト等が実装技術になります。

セマンティックウェブ

エンジニアによって「ここが見出しだ」「ここが名前だ」「ここが著者だ」といった意図をマークアップで表現することが出来ます。これにより、検索エンジンがその糸を読み取り、Web全体が大きなデータベースのように動きます。Googleの構造化データテスト・ツールを利用すれば、その恩恵を確認することができます。HTML5 Semantic Elements、HTML5 Microdata、RDF/RDFa/RDFa Lite、Microformatsが実装技術になります。

スピーディウェブ

HTTPのつないでは閉じるというWebの弱点を解消する技術です。HTTP/2.0は、SPDYをベースに標準化されると言われています。オフライン技術も含まれ、キャッシュ機能により速度の向上も期待できます。

プラットフォームウェブ

Tizen、ChromeOS、Windows8、FirefoxOSなどで、デバイス固有の機能にアクセスできます。車載・電子書籍・TVにもHTML5は組み込まれるようになりました。

インプレッシブウェブ

白石さんが作った造語。HTML5の技術を活用し、人に感動を与えるWebです。HTML Canvas、SVG、WebGL、Web Audio APIが実装技術として挙げられます。

AndroidとChromeの統合について

続いては、日本Androidの会を代表して丸山不二夫が講演。

Webアプリの変化

WebアプリはかつてサーバサイドのWebアプリを指しており、Androidアプリの多くが、Android単体で動くアプリを指しており、クラウドとの接点は小さいものでした。Androidのネイティブアプリが、Webアプリケーションとの接点が小さいという状況でした。

FacebookのHTML5からの離脱、ネイティブに対して、HTML5賭けすぎたという主張。これにより、エンタープライズの場合問題が多いと思わるようになりました。

しかしそこで、サーバサイドWebアプリのスタイルの見直しが進行しました。WWWはWorld Wide Waitと呼ばれるほどその仕組は待つという行為が多く、またAjaxも臨界点に近づきつつあったからです。

アプリケーション開発の多様化でHTML5が活用されましたが、サーバサイドのWebアプリとクライアントのWebアプリとで分岐してきました。このような背景の中、新しいアイデアが広まりつつあります。

Packaged Web App

Web標準技術を利用して、ネイティブと同様の性能を持つ技術です。

  • Offline enabled by default。
  • ネットワークを必須としない。
  • Cloud enabled by default
  • デバイスのハードウェア・OSリソースへのアクセス。
  • Packageの形でアプリ配布。
  • 新しいセキュリティポリシーの採用。(CSP:Contents Security Policy)

丸山さんいわく、これが今後期待される技術であるそうです。

Thin Server Architecture

Webアプリケーションフレームワークの慢心さと複雑さに対する反応として出現した思想。クライアントに分離して開発されるので、エンジニアはビジネスロジックに集中でき、アプリケーションは複雑でなくなります。

この考えは、Webである必要はなく、どういうテクノロジーでも良いという汎用的なアイデアで、プレゼンテーション層をクライアント側へ移すという思想です。

AndroidはHTML5対応がこれまで遅れてましたが、改善が進み、Androidブラウザも十分な機能を持つようになった。ChromeもAndroid版とPC版にはズレがあったが、今後は同時にリリースするとGoogleから公表されました。これにより、実現性は高いものになりました。

ブラウザーからランタイムへ

AndroidとChromeの統合、AndroidのChrome標準ブラウザ化、AndroidへのPackaged Web Appの導入へ進み、Androidは今後、Packaged Web Appの最大のプラットフォームになります。

50ドル携帯で、Next Billionへ。発展途上の国が携帯電話を持つようになり、さらに発展を迎えようとしていますが、iPhoneには安価な端末の販売を行うことは、同社のブランド戦略上行うことはできません。

このような状況下で、今後はAndroidがNext Billion最大のプラットフォームになると予想しています。

<次の記事はこちら>
>第39回 HTML5とか勉強会+日本Androidの会 2013年5月定例会(2/2)

このブログの筆者について

川田 寛

コンテンツサービスの開発や運営代行を専門とする集団「株式会社ブートストラップ」の社長です。ネットではふろしきと呼ばれています。

2009年にNTTグループへ新卒入社し、ITエンジニアとしてクラウド技術・Web技術の研究開発と技術コンサルティングに従事。2015年よりピクシブに入社し、エンジニアリングマネージャー・事業責任者・執行役員CCOなど、様々な立場からコンテンツサービスの事業づくりに関わりました。2021年にメディアドゥへVPoEとしてジョインし出版関係の事業に関わったのち、2023年に独立しています。

関わってきたインターネット事業としては、ECサービスのBOOTH、UGCプラットフォームのpixiv(主に海外展開)、制作ツールのpixiv Sketch、VR・VTuber関連ではVRoid、Wikiサービスのピクシブ百科事典など、10を超える多様なCtoCコンテンツサービス。また、NTTドコモのすご得コンテンツ、メディアドゥのWeb3サービスであるFanTopなど、いくつかのBtoCコンテンツサービスにも関わってきました。

幸運なことに、私はコンテンツに関係する幅広いインターネットサービスのテクノロジー&ビジネスの知識を得ることができました。これを日本のコンテンツ発展に役立てたいと思い、株式会社ブートストラップを創業しました。

このブログでは現在、出版社やIPホルダー、ライセンサーといったコンテンツに関わる人々に向けて、インターネット事業に関するTipsや業界内のトレンドなどの情報を発信しています。私と話をしてみたいという方は、以下のフォームより気軽にご連絡ください。

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