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日本人が開発したJavaScriptライブラリ、エンジニア別国内利用率ランキング

「エンジニアはGitHubソースコードを上げると、転職で有利になる!」なんて言われている時代ですが、本当にそうなのでしょうか?多大な時間を割いて、ソースコードを管理し、マニュアルを作り、特設ページを作り、公開することに意味はあるのでしょうか?

昨年の11月、ふろしき.jsでは1,300の優秀と評価されたWebサイトを調査し、利用率の高いJSライブラリをランキング化しました。実はこの調査、一筋縄ではいかず、実際には1,800弱とデータサンプルとしてはそこそこな母数を確保し解析しています。

その調査の中で、わかったことがあります。

フロントエンドは、日本のエンジニアが個人で開発したようなOSSのJSライブラリが多く含まれ、重要な部品として活用されているのです。個人でも入り込める隙がある、そう思うと、フロントエンド界隈でGitHub上にソースコードを公開するモチベーションは、比較的高いのではないでしょうか。

国産OSSはフロントエンドで、どの程度の影響力を持つのか。日本のエンジニアに限定してランキング化し、彼らの素晴らしい働きに敬意を表してみましょう。なお、国内利用率が0.5%に満たないもの、開発者本人だけが使っていると思われるもの、法人により公開されているものについては、除外させて頂きます。

国内利用率「0.5〜1%」の部

200サイトを確認すると、1件程度は見つかるJSライブラリとその開発者です。主に、レイアウトを作りこむための用途に集中している印象があります。同じレイアウト系のライブラリであるTwitter Bootstrapの利用率が0.5%以下であることからも、かなりの健闘ぶりです。

順位 利用率 所属/開発者名 公開しているOSS
13位 約0.5%
bit part 合同会社
奥脇 知宏
jQuery AutoHeight
12位 約0.5%
STARRYWORKS inc.
木村 幸司
fixheight.js
11位 約0.7% 竹中 隼人 (うりん) jQuery Tile
10位 約0.7%
所属・実名共に不明
Xlune
jQuery vgrid

さすがはWeb標準技術、色んな業種のプレイヤーが揃っています。

Xlune氏の情報はネット上から見つけられなかったのですが、先日開かれたHTML5 Conference 2013のCodeIQのテストで満点を取っていたので、レベルの高いエンジニアであると考えられます。

国内利用率「1〜2%」の部

100サイト中1〜2件程度は見つかるJSライブラリとその開発者です。このあたりまで来ると、開発者本人以外の人も、メンテして利用しているように見えます。

順位 利用率 所属/開発者名 公開しているOSS
9位 約1.0% 帆秋 洋志 jQuery.rollover.js
8位 約1.1%
アイトランス株式会社 代表取締役
石井 栄徳
jQuery Socialbutton
7位 約1.2%
株式会社ラナデザインアソシエイツ
山本 圭助
slider.js
6位 約1.2%
株式会社ファーストインパク
KAZUMiX
rollover2.js(約0.5%)
scrollsmoothly.js(約0.6%)
5位 約1.3%
株式会社ピクセルグリッド 代表取締役
中村 享介
yuga.js
4位 約1.8% 長谷川 広武 (はむ) jQuery Opacity Rollover

このあたりにまで来ると、どのエンジニアも、本を執筆していたり、会社を起こしていたり、フリーランスで活動していたりと、一人でメシが食えることはもはや当たり前で、+αとして何かしらのアイデンティティを持って活動している人たちばかりが集まっています。

公開しているOSSも、スライダーやロールオーバーなどパーツ系ライブラリが集まっています。

国内利用率「2%以上」の部

ここまで来ると、もはや別の次元に入っている印象があります。

★ 第3位. コリス (約2.4%)

エディトリアルデザイナーを経て、ウェブ業界へ。Rainbow Japan Inc.、Business Architects Inc.を退職後、 現在フリーランスとして活動されているらしいです。(詳細はイマイチ調べきれていませんが)

公開しているJSライブラリ「jQuery Page Scroller」は、国内利用率が約2.4%と高い影響力を持っています。

★ 第2位. Cyokodog (約2.8%)

ネット上でのみ活動しているらしく、職業は社内SEとのこと。jQuery関連の記事を書かれているそうですが、ここまでの影響力を持っていたら、もっと色んなことができそうな気がします。

公開しているJSライブラリ「jQuery exFixed」は、国内利用率約2.8%の影響力を持ちます。

★ 第1位. 西畑 一馬 (約9.5%)

「株式会社まぼろし」所属のフロントエンドエンジニア。Web界隈の有名人の中でも、頭一つ抜けているスーパーエンジニアという印象があります。彼が公開しているライブラリは、日本国内のWebサイトであれば10中1件程度は見つかるほど広く利用されています。

有名なライブラリとしては、もはやデファクト標準と言えるほどの利用率を誇る「heightline.js(約8.5%)」「alphafilter.js(約0.8%)」「wordbreak.js(約0.1%)」が挙げられます。ここまで来たら、世界に行けてしまうようにも思えます。

おわりに

GitHubはエンジニアの転職に役立つのか?

「公開したライブラリのネームバリューを生かして、こんな就職をしているみたいです!」なんて結果を期待しましたが、どれも役立てているかと言えば、正直なところよくわからないという結果になりました。転職におけるGitHubの意義は、ソースコードを見て貰うというところが目標になっているので、今回の調査、切り口がやや違っていたのかもしれません。とはいえ、ブログに貼り付けた程度のソースコードでもかなりの影響力を持ち、またその公開者が記事を書いたり会社を作ってたりと、その活躍ぶりからある程度の相関性のようなものが読み取れたかと思います。

今年の年末あたりにもう一度調査してみると、もっと面白いことが起こっていそうですね。楽しみです。

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